ハートテラス平針にご入居され3年となるS様が、先日、娘様とお二人でショッピングモールへお出かけになりました。
娘様から『よく通っていたショッピングモールへ一緒に外出したい』とご入居前からご希望を伺っていたのですが、ご入居当時はベッド上で過ごされており、車いす移乗も難しいご状態でした。
ご入居時に主治医の先生から胃ろうのお話を聞き、ご家族様で検討され、2022年7月に胃ろうを増設されました。半年に一度、胃ろう交換のため受診し外出をされておりましたが、2023年7月に娘様より『自宅』か『ヒルズウォーク』へ行きたいとケアマネージャーさんへご相談がありました。
自宅は2階でエレベーターがないため、車いすごと持ち上げるか、S様を抱えて階段を上がるしか選択肢がありませんでした。ただ、ご自宅の階段は狭く車いすごと持ち上げるのは難しく、また、体動のあるS様を抱えて階段をあがるのも危険だと思われました。
一時帰宅した際に一緒に過ごされるご家族様にも実際のご状態をご理解いただくために、2023年11月、施設の居室にて体位変換や臥床位置の移動の介助をご家族様に体験して頂きました。ベッドに端坐位になると反り返ってしまい保持できない状態で、背負って階段を上るのは難しいことをご家族様もご理解されました。
ケアマネージャーさんと看護師、介護士でどのようにしたら外出できるか検討しましたが、現在のご状態では難しいため、車いすで過ごされる時間を増やす事から進めることにいたしました。
ケアマネージャーさんから重度訪問で散歩支援を検討してはどうかとの提案があり、障害サービスに先がけて施設サービスでも散歩が出来ないかを検討いたしました。面会時にはご家族様の練習も兼ねてご家族1名+職員1名でリクライニング車いすに移乗してもらうなど検討し、2024年1月、面会時にリクライニング車いすに短時間移乗して頂きました。
その後、障害サービスを利用され、リクライニング車いすで散歩をされるようになり、少しずつ乗車時間を増やしていきました。
2024年11月にはリクライニング車いすに移乗したまま、娘様がS様の散髪をされるまでになりました。
そして2025年5月、チルトリクライニング車いすに移乗し、念願のヒルズウォークへ外出。今月は、チルトリクライニング車いすに移乗し2時間程度プライムツリー赤池へ外出されました。
施設へ帰宅後はお疲れのご様子でしたが、2人でショッピングモールを散歩され、とても良い時間を過ごされたようです。
帰り際に『本当にこの施設に入居できて良かったと思っています!』とうれしいお言葉を頂戴しました。施設のスタッフやケアマネージャーさん、主治医の先生の支援があってこそのお言葉で、本当に感謝です。
施設ではできることと、できないことがございますが、今回は『お出かけ』に向け、ケアマネージャーさんや看護師、介護士が、安全に外出するためにはどのようにしたらよいのか、S様のご状態を確認しながら支援を進めてきました。
今後もケアマネージャーさんを中心とした他職種の連携を図りながら、ご利用者様、ご家族様の想いを尊重しつつ支援して参ります。
今後ともよろしくお願いいたします。
